生同組合が丸儲け!
クリーニング師事前講習会は悪質だ!
1年に1度のクリーニング師試験
クリーニング業を始めるには、クリーニング師という資格が必要になります。大手業者で、工場が3つある会社なら、少なくとも3人のクリーニング師が必要です(受付だけの取次店にはいりません)。
このクリーニング師を取るためには、各都道府県で行われるクリーニング師試験に合格しなければなりません。クリーニング師試験は都道府県ごとにまちまちで、筆記の他に実技試験があるところもあれば、筆記だけの試験のところもあります。実技試験は現実には行わないことが多いアイロンによるワイシャツの仕上げ試験(大手ではワイシャツをアイロンで仕上げる人はほとんどいない)などがあり、日本中どこで取ってもかまわないため、筆記試験だけの県に人気が集まります。
どこでも行われている事前講習会
ところで、クリーニング試験の前に、各都道府県のクリーニング生活衛生同業組合が行うクリーニング師試験のための事前講習会というものが行われます。福島県など一部に行わない県もありますが、多くの都道府県で試験の前に「事前講習会」が行われます。
クリーニング師試験については、テキストのようなものがあまり出回っていません。また、実技試験の時に使用するアイロンは特殊なもので、一般の人が入手することはできません。そうなると、このような事前講習会に出て、そこで勉強するしかなくなります。また、事実かどうか不明ですが、講習会に出ないと絶対に合格できない、と考えている人が多く、現実に、講習会に出ないで合格した人というのを聞いたことがありません。クリーニング師になるためには(クリーニング店を開業したり、新たに工場を新設するためには)、この講習会に出なければならないのです。事前講習会は、どこでもクリーニング生活衛生同業組合(生同組合)が行います。
猛烈に高い講習料
問題はこの講習料です。クリーニング師試験の受験料は1万円以下なのですが、事前講習会の講習料は上記の県だと30000円、高いところでは60000円もするそうです!受験料をはるかに上回る講習料です。この講習料は、みんな生同組合の懐に入っていくそうです。クリーニング業を始めるにはクリーニング師の資格を取るしかないのですから、これは人の弱みに付け込んだ卑怯なやり方です(ほんの一部ですが安い都道府県もあります)。
組合員は講習料が安い・・・あくどい生同組合のやり方
また、多くの都道府県では事前講習会の講習料に関し、組合員と組合員外とを分けています。組合員は安くし、組合員外をやたらと高くしているのです。これは自分たちの後継者は優遇し、それ以外からは高い金をふんだくる意図があるからです。
別のブログでも説明していますが、クリーニング生活衛生同業組合というのは誰でも入れるものではありません。申請したが、いろいろ理由を付けられて入れなかったという人は大勢います。閉鎖的な業者が自分たちだけで利権を独占していると考えて間違いではないでしょう。こんなことを許していること自体がおかしいです。
全くまちまちな各地の受講料。いずれも高く、非組合員からはぼったくる
クリーニング師制度は廃止すべきだ
いうまでもなく、日本のクリーニング市場はどこでも大手業者の寡占状態であり、現代の環境には全く合わない生同組合は、クリーニングに限らず市場のほんのわずかなシェアしかありません。また、会員には後継者のいない高齢者が多く、当然業界の先のことなど考えてはいません。そういう人たちに、これからクリーニング業を目指す人たちに指導させるのは大きな問題があります。
なぜこうなっているのかというと、実はクリーニング生同組合は日本クリーニング政治連盟も運営していて、政治家とは票でつながっているからです。要は旧統一教会問題と同じです。生同組合は「票」のために特権を与えられているのです。本当に腹立たしい話です。
クリーニング師制度は昭和25年施行の猛烈に古いクリーニング業法に定められた制度で、現在の環境にはまったく合いません。国家資格が聞いて呆れる日本の恥部でしょう。
他の生衛業種、例えば飲食業などは食中毒の危険がありますし、現在でもいろいろ問題が発生していますので厳格な規則が必要ですが、クリーニングの衛生問題など何十年にもわたって発生していません。むしろ、清潔な社会を形成する大きな妨げとなっています。社会を清潔にするクリーニング設備や関連する業種がこんな古い法律で制限されていては社会の発展はありません。クリーニング師制度は廃止するか、もしくは小型ボイラーの資格程度に講習会に出席すれば取得できるくらいのものにしましょう。一部業者の利権になっている現状は、ダメになった日本を象徴するような姿でしょう。
現代の情勢に合わないクリーニング師制度は廃止を!