クリーニング会社は理解あるスーパーに感謝しています
店休させてくれるスーパーマーケットに感謝!
厳しいコロナ禍での運営
2020年初頭から始まった新型コロナウイルスの流行は、クリーニング業界にも深刻な打撃を与えています。コロナウイルスはクリーニング業者を徹底的に苦しめています。人が会社に出勤しないと、ワイシャツやスーツを着なくなり、クリーニングに出さなくなります。会社員の出張がなくなってしまうのも打撃です。冠婚葬祭が自粛になると、礼服が出なくなります。お祭りが自粛になって中止されると、ゆかたやはっぴなど季節商品が出なくなります。コロナ以前と変わらないのは毛布や布団など寝具だけといった実情で、各クリーニング業者は厳しい運営を強いられています。
クリーニングに「店休」ができた
このような中、売上が上がらないなら出費を減らそうと、各業者は経費節減に力を入れています。経費節減の方法の一つに、クリーニング店を週に一度、休みにするという方法があります。入荷の少ない水曜日や木曜日あたりに一日だけ休日を作り(店休日)、人件費を削減する方法です。
店休はコロナ対策の苦肉の策です。それまでクリーニングは年中無休が当たり前だったので、サービスの質が落ちる問題もあります。しかし実施してみると、クリーニングは顧客が比較的固定しているので、それほど売上が落ちません。そういうことから、今や日本中のほとんどのクリーニング店が週に一度、店休日を設けることになりました。
スーパーにも店休ができた
このような動きの中、それまでは休みのなかったスーパーマーケットなど商業施設にテナントで入っているクリーニング店も、多くが店休日を設けるようになっています。理解のあるスーパーの方が、クリーニング会社の現状を考え、休ませてくれています。これは各クリーニング会社にとっては本当にありがたい配慮です。クリーニング会社が、スーパーを見る目が変わってきたように思います。
理解あるスーパーに感謝
スーパーの中には、コロナで厳しいのだからと家賃を下げてくれるところもあります。本当に、どれだけ助かっているかわかりません。クリーニング店にとって、週に一度休むのと休まないのとでは採算に大きな違いが出ます。まだ休ませてくれないスーパー各社には、ぜひその辺のことをご検討いただきたいと思います。各クリーニング業者が、配慮のあるスーパーには本当に感謝しているのが伝わってきます。
考えなければならない、スーパーとクリーニング会社との関係
週に一度、店休日を設けることにより、各クリーニング会社は労働基準法に沿った運営ができる結果にもなります。
クリーニング店がスーパーのテナントに入ることが多くなったのは1990年代からですが、この頃からクリーニング会社のモラルが下がり、次第に不正が横行するようになっています。テナント料や長い営業時間による人件費の増幅がクリーニング各社の採算性に影響を与え、それまでは取らなかったしみ抜き料金の徴収(消費者契約法に抵触との指摘)や、役所をごまかして商業地、住宅地にクリーニング所を建設する建築基準法違反が横行するようになったのです。当NPOに相談がたくさん寄せられる、労働基準法違反も多発するようになりました。
スーパーマーケット側にへこへこしてご機嫌をうかがい、自社従業員を奴隷のように扱うブラック企業が大きく成長したのも、1990年代以降です。延々と半額セールを繰り返すクリーニング会社は景品表示法違反だし、一年中労基に入られても、従業員を夜中まで働かせるような会社もあります。皆様への媚びだけが真実ではない。この事実をスーパーの皆さんには受け止めてもらいたいと思います。
厳しい時期ですが、こういうときに助け船を出してくれるスーパーの皆様には、多くのクリーニング業者が大変感謝していることをぜひお伝えしたいと思います。