なんでそんなに残業するの?

なんでこんなに残業するの?

 クリーニングで夜中まで働くのは異常!

 ぶらへいう

 コロナにより売上が下がったクリーニング業界も、今年(2021年)の3月、4月から回復基調にあります。そこで品が多く集まりますが、クリーニング会社によっては、夜中まで働いた、午前2時まで働いたなどと、信じられないような残業をしていると情報が寄せられています。いくら繁忙期でも、クリーニングで夜中まで働くなんてあり得ません。何が問題なのでしょうか?

 

異常に長い残業時間は違法

 2019年4月以降は、時間外労働は月45時間、年360時間が上限となり、これに違反すると罰則が適用されることになりました。にもかかわらず、月に100時間を超える残業や、真夜中まで働かされたという話があちこちから流れてきます。どうも一部のクリーニング業者は法律を守る気がないようです。

 あまりにも長時間働いたり、夜中まで働かせるような会社では、作業員が疲労して判断力が鈍り、それが品質にも影響します。クレームだらけになり、工場も店員も大変です。過労死ラインを超えていることになり、命にも関わります。

 

何が原因なのか

 こういった問題が起こる原因は、コロナによる各社の経費節減が関係しているものと思われます。コロナで売上が減り、どこの業者も経費節減を心がけていますが、店舗に休日を作ったり、時短を実施するなどならいいのですが、一部の会社では工場を削減して、二つあった工場の一つを閉鎖し、一つの工場に品を押し込むようなことが行われています。生産計画のずさんな会社では繁忙期を迎え、品が集まり出すとさばききれなくなります。それで異常な残業が発生するのです。

 

工場のキャパを大幅に超える入荷量

 クリーニング工場では、一般にドライ機1台(当然水洗機もある)につき、一日の入荷は1000点が限度といわれています。そこに、2000点も3000点も入荷するような会社があります。これはこの会社が何の生産計画もなく、やたら品を集めるだけで品質や労働者へのケアを全く無視しているということです。これでは長い残業になるのは当たり前で、ろくな設備もないのに一年中セールばかり行っている会社は問題です。苦労するのは従業員ばかりです。特に、「11時お預かり、5時お渡し」といったクイックサービスを行う会社では、納期が間に合わなくなります。「本日はできません」と連絡が来て、客にいちいちお詫びの電話をかけ、怒鳴られたという店員さんからも情報が寄せられています。普通の人間の感覚では信じられませんが、実際にこんな会社があるのです。

 たくさん品が集まるのは、この会社が流行っているからと思う方もいますが、それは間違いです。価格を下げることでしか客を呼べないのなら、それは安さしか魅力がないことの証明です。もっと安いところができたら、客は流れていくだけです。会社を運営するには店舗の入荷と工場の作業量のバランスを常に考えなければなりませんが、慢性的に残業、しかも深夜までというのは、何も考えていないか、ただ儲かればいいやと考える経営者がいるからでしょう。法律を破ってまで従業員を酷使するなど普通の会社ではあり得ません。

 

ブラック企業は日本を悪くする

 最近、日本はかつての先進国ではなく、もはや後進国になったといわれています。大学生が就職したときの初任給は40年近くほとんど変わっていません。こんな国は他の先進国にはありません。

 そういう日本の衰退を表しているのが、まさにクリーニングに代表されるような安売りが氾濫する商売です。安いのはいいと思うかも知れませんが、海外と比べて「円」の価値が下落すれば、いずれは海外の品が高くて買えなくなります。長期的には衰退を辿ります。一年中安売り半額セールを行い、工場は夜中まで残業というクリーニング業者はまさに人権を無視した後進国の状況です。こんなブラック企業を許していては、日本が少しも良くなりません。奴隷のように働かされるばかりでなく、異常だと思ったら立ち上がることが必要です。

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日本がかつての輝きを失い、衰退しているとする書籍がたくさん出ています。ブラック企業を放置するような日本のあり方は問題です 

 

自分の職場が異常でないか、すぐチェック!

〇工場が夜中までやっている

〇一年中半額セールをやっている

〇慢性的に納期遅れが発生する

〇残業代を請求してもコロナや売上を理由に拒否される