灼熱地獄!クリーニング工場は暑い!
猛烈に暑いクリーニング工場
今年の夏は猛烈に暑くなっていますが、もともと暑いクリーニング工場で働く作業員達は、この暑さで悲鳴を上げています。当NPOにも情報が寄せられるようになってきました。
クリーニング工場は、どこでもボイラーから出てくる水蒸気が工場中を循環し、プレス機、アイロン、乾燥機などあちこちに熱源があるので、大変温度が上昇します。そこに持ってきて、今年の暑さが加わり、例年にない暑さが襲ってきています。
工場内が40度どころか、50度になるという所もあるそうです。熱中症で倒れる人も出ており、十分な注意が必要です。
クリーニングはたいてい石油系溶剤を使用しており、これらは引火点が42度くらいです。クリーニング業者によっては冷却器のない、旧式のドライ機を使用している業者も多く、溶剤から湯気が出ていたという報告もあり、安全対策上も問題です。
昔よりも、はるかにキツイクリーニング工場
以前は今ほど大変ではなかった
クリーニングは繁忙期と閑散期に差があり、夏場は閑散期に当たります。暑くても仕事があまりなかったので、作業終了が早く、労働時間が短かったので、暑くても大変ではありませんでした。では、なぜ今は大変なのでしょうか?
○生産性向上の強要
特に低価格で勝負する業者は、高い生産力が要求されます。人時生産率なども非常に高い数字を目標に掲げ、大変な労働を強いられる会社では、40度以上の暑さの中で猛烈に忙しい仕事をこなさなければなりません。
○保管クリーニングの影響
最近、「保管クリーニング」を採用する業者が増えています。「保管クリーニング」は、繁忙期の春先(4,5月)に客から品を預かり、着用する秋の終わり頃までクリーニング業者が衣料品を保管するというサービスです。
しかし、この実態は、春先に品が集中すると全部はこなせないので、夏場まで衣料品を倉庫に「置いておき」、品が落ち着く夏場にクリーニングしようというものです。春先にするはずの仕事を夏に延ばしているので、夏場が忙しくなるのです。
保管クリーニングについてはこちら
http://npo.cercle.co.jp/?p=653
○低価格と過剰な節約指向
クリーニングは価格競争が止まらず、相変わらず低価格で勝負しています。昔より最低賃金が何百円も上昇しているのに、価格は昔のままです。そのぶん、作業員の過酷な負担が増えるというわけです。
また、最近は地域によっては銀行などが業務に介在し、極端な節約を要求するので、洗濯機や乾燥機、仕上げ機に余裕がなく、従業員をひどく働かせるような人権無視の会社もあります。
夏場の注意事項
今年の酷暑は「危険な暑さ」、「災害と認識」と言われています。命は自分たちで守らなければなりません。働く人たちは、以下のことに注意して下さい。
○こまめに水分を取りましょう
当たり前のことですが、熱中症は水分不足から起こることが多いので、水分を取るようにしましょう。水分も取りに行けない、という職場だったら、当方にご連絡下さい。
○クーラーを過信しないこと
クリーニング店はスポットクーラーを使用しているところが多いですが、あれは体の一部しか冷えません。また、古くてほとんど効いていないという会社もあります。
○保管クリーニングをしている業者は注意
保管クリーニングは夏場に作業するところが多いので、春先より暑い環境で作業しなければなりません。注意しましょう。
○外国人にも声をかけましょう
クリーニングは外国人技能実習生が多く働いています。「外国人は暑い国から来ているから大丈夫」などと平気で語る経営者がいますが、湿度が高く、照り返しの強い日本の暑さは外国人にとって大変つらいそうです。外国人の皆様にも優しく声をかけ、つらそうだったら助けてあげなければなりません。
特に、工場の一部を改造して「住まい」にし、そこに外国人を押し込めているような会社があれば、こちらにご連絡下さい。
クリーニング工場の過酷さは、業界紙も取りあげたが、暑いというだけで、問題視はしていない
会社内部で改善されない場合には、当方にご連絡下さい。