長期間放置品は脱税が原因?!

長期間放置品は脱税が原因?!

 

 現在、全ク連がやたらと発表する「長期間放置品」問題。客から預かった品を返せないという、本来ならば恥ずかしい事実をやたらと公表する裏には、彼らのとんでもない裏事情があるかも知れない。

 20170929154343_00001 全ク連ニュースレター20170919

 全ク連が全国のクリーニング生同組合員に配ったポスター

迷惑な全ク連の宣伝

 2017年末、各テレビ局や新聞が、全ク連発表を報道した。この発表は、「全国のクリーニング業者が、客が引き取りに来ない品が多くなって困っている」というもの。クリーニングを利用しても客が忘れてしまい、取りに来なかったり、引っ越してそのままになってしまうものがあるという。クリーニング品の所有権は顧客にあるので、店側も処分するわけにはいかず、確かにこういう品には困らせられる。

 しかし、現在は優れたレジが開発されており、顧客データによって引き取りに来ない方には連絡し、問題はかなり解消されているはず。市場の大部分を占める大手業者にとって、これは過去の問題でしかない。困っているのは旧態依然の手法で今も受付をする零細業者ばかりである。おおくの大手業者は、あたかも全業者の問題のように発表する全ク連のやり方にはいらだちを感じている。

 

全ク連の貧乏体質

 昭和32年施行の生衛法によって運営される全ク連は、クリーニングなど生活衛生関係営業の業種は零細業者ばかり、という昭和30年代の歴史観で現在も運営されている。彼らのほとんどは最新式のレジなど購入せず、相変わらず手書きの伝票に記載して受付している。これが、データを蓄積できず、放置品がたまる原因になっているのだが、彼らは古いやり方を変えようとはしない。

 全ク連はシェアの上で業界の少数派であり、しかもこの問題も自らが努力を怠った結果であるのに、それをおおっぴらに公表するのでは、真面目にやっている業者達はたまったものではない。

 昔から全ク連の業者達は、「ワシらは零細なんだ、貧乏なんだ、かわいそうなんだ」と自己卑下する傾向があり、それによってときには助成金などを得ている。はなはだ迷惑な話であり、正確な仕事をするためには、受付レジの導入をするべきである。

 

レジを入れない、本当の理由

 こんな問題を起こしてまで、彼らはなぜレジを入れないのだろうか?

 個人経営のクリーニング業者は、ほとんどが年商1000万円以下であるという。現在販売されているクリーニングのレジは、50万~100万くらい。レジを買うお金がない、というのが表面上の理由だと思う。

 しかし、こんな話を資材業者から聞いたことがある。

 その資材業者は、まだレジを導入していないクリーニング店に新型レジを勧めたとき、この様に言われたという。

「レジなんか入れたら、売上がわかるじゃないか」

 彼らは正確な売上がわかると困るらしい。要するに、本当の売上を示したくない、つまり、脱税したいという事情があるようだ。

 クリーニングはサービスを提供する商売であり、商品がないので実績を隠しやすい。しかし、コンピューターが内蔵された受付レジを使用すれば売上は正確に算出され、ゴマカシは難しい。そこで、零細業者らはレジを導入せず、手書きにして業績をごまかしているのかも知れない。零細業者は家族だけで運営するので従業員の通報など、人づてに発覚する可能性も極めて低い。

 勿論、すべての業者がこんなことに手を染めているわけではないが、いわれてみれば確かにそんなことはありそうだ。特に、現行の法規では、年商一千万円以下なら、消費税は払わなくていい。8%払うか払わないかは大変大きな問題だ。また、規模の小さな店には税務署はほとんど行かない。こんなことから、彼らが払うべき税も払っていない可能性はある。

 

恥ずかしいからやめてくれ!

 クリーニング業者は大手と個人経営の業者とに大別される。大きく展開する大手に対し、個人経営の零細業者はしばしば「かわいそう」と同情の対象にされる。政治家などはその論法をよく利用する。

 しかし、零細業者は本当に「かわいそう」なのだろうか。確かにそういう人たちもいるが、建築基準法に違反して違法操業を続け、土壌汚染を引き起こし、おかしなアイロン試験で社会のイノベーションを妨げ、まともに税金を払わない業者を果たして「かわいそう」といえるのだろうか?

 税金をまともに払いたくないから、正確な売上を隠したいので、受付レジを導入しない。それが結果的に、顧客へのお渡しができない品が増える原因になっているとしたら、そんなものは自業自得であり、顧客には迷惑以外の何者でもない。

 しかも、そういう恥ずべき行為を大っぴらにマスコミに報道させるというのはどういう意味があるのだろうか?

 全ク連の市場シェアはたかだか2割程度。厚生労働省が唯一認可していながら、実質は市場の少数派に過ぎない。顧客に品を返せないのは業者として失格である。こんなことは、通常はほとんど発生しないので、市場の大半を占める大手業者たちは大変迷惑している。「ワシらは零細なんだ、貧乏なんだ、かわいそうなんだ、だから金くれよ!」という老人達は意外に狡猾である。恥ずかしいから、やめてほしい。また行政も、こんなことに助成金を付けたりするのは絶対に避けてもらいたい。

 高齢クリーニング店