夜中まで働かされるなんて・・・

夜中まで働かされるなんて・・・

 過労死2

 繁忙期に入り、どこのクリーニング店も忙しくしていると思いますが、最近、「夜中まで働いている」、「朝5時に出勤し、深夜1時まで働いた」など、信じられないような長時間労働をしているという声が寄せられています。

 ある人は、残業時間が140時間を超えている!という連絡がありました。過労死ラインが80時間といわれているのに、はるかに超えて働かせられているのです。

 クリーニングには煩忙期と閑散期がありますが、いくら繁忙期でも、朝、普通に出てきて、午前0時を超えて働くなどというなどということは一般常識的にはあり得ません。そういう仕事をさせている会社は、きわめて非常識であるといえます。

 電通の事件以来、長時間労働や過密労働には厳しい世間の目がありますが、まるで時代に逆行するように長時間の労働を強要する背景には何があるのでしょうか?

 

異常労働の原因

 昔から繁忙期は忙しかったけれども、いくらブラック企業でも、以前は夜中まで残業することはありませんでした。こんな長時間労働は、なぜ発生するのでしょうか?いくつか原因を挙げてみましょう。

○低価格競争、人手不足

 以前よりクリーニングは低価格で品を集め、大量生産でこなす業者がいましたが、近年は人手不足が深刻で、働き手がいません。特に低価格の業者ほど仕事がきついので、人が辞め、余計に仕事がきつくなります。

○クイックサービス

 近年は「11時お預かり、5時お渡し」のようなクイックサービスがどこでも行われています。このサービスは20数年前に始まり、もともとはそれなりに高い値段を取ってより良いサービスを目指すものでしたが、いつの間にか低価格店にも広まり、価格が安くても早いサービスをするようになりました。大量の品を、時間までに仕上げるというのは大変な苦労です。やらされる作業員はたまったものではありません。

○生産計画のなさ

 作業員が連日夜中まで働くというのは、会社に生産計画がなく、ただ品をたくさん集めればいいという安直な売上指向しかない場合があります。十分な機械設備もなく、計画性もなければ、困るのは現場の作業員ばかりです。

 繁忙期でも平気で半額セールなどが行われていないでしょうか?会社側の生産計画がきちんとしているか、注意する必要があります。

○強欲な経営陣

 現場が大変な苦労をしているのに、全く現場を顧みない経営陣がいる会社があります。こういう経営者は、「自分も若い頃、苦労したものだ」などと勝手な理屈を並べ、経営者と労働者を同列に語るような人もいます。現場の苦労を何ら理解していないということです。

 

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長時間労働はあなたの命を奪う

 

長時間労働と超過密労働

 長い時間働かせるばかりでなく、働く時間の密度をやたらと高くさせる会社があります。工場には高い生産性を要求し、しかも長く働かせるのです。これは大変つらいことです。

 

三六協定

 本来、8時間以上は働かせてはいけないことになっていますが、残業をする場合、会社は従業員と三六協定を結びます。会社ごとにこの協定の内容を調べる必要があります。

 

 長時間働かせている会社の状況を見ると、従業員の健康を気遣っている様子などは全く見受けられません。現実に体調を崩す人が続出していますが、このままでは最悪の「過労死」を迎えてしまうかも知れません。

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午前5時52分から、午前1時半まで働かせられたというタイムカード

 

クリーニングの長時間労働対策

 もし、あなたの職場で夜の10時を越えるような長時間労働をさせられそうになったら、以下のことに注意しましょう。

 

○毅然とした態度で、極端な残業は断ること

 本来、クリーニングの作業で夜の10時を越えることなど経営者や幹部でもなければあり得ません。それは会社の責任ですので、あなたには何の問題もありません。堂々と帰宅して下さい。体を壊してからでは話になりません。

○常識だと思わないこと

 クリーニングで深夜労働をさせるのは、一部のブラック企業だけです。ブラック企業は、「ウチの会社は業界で何位」、「ウチは銀行からも評価されている」など素晴らしい会社であると見せかけ、従業員を酷使させることがあります。そういうことを常識と思わず、夜中まで働かせることを異常と思って下さい。会社に洗脳されないようにしましょう。

○タイムレコーダーを撮影しておくこと

 会社は異常な長時間労働の実態を隠そうとしますので、タイムレコーダーの打刻がすべて終了すると隠すか、消去して証拠隠滅を測ることがあります。そうされる前に、タイムレコーダーを撮影しておきましょう。

 また、タイムレコーダーを使用しない会社も結構あります。こういう場合は、自分で始業、終業時間をメモしておきましょう。

○責任は会社にあり、自分にはないことを認識すること

 あなたの仕事が遅いから残業するんだ、などと責任転嫁する会社もあります。会社の生産計画が無謀なことは会社の責任です。

○労働基準監督署に相談すること

 近年は長時間労働に関しては行政も目を光らせています。労働基準監督署に相談しましょう。監督署にその旨を伝えれば、相談したことを会社に知られることもありません。

 

 ただ、ものすごく田舎の労基だと、相談しても話にならなかったなどということも聞いています。当方でも相談は受け付けていますので、ぜひ御相談下さい。

 

夜中までの長時間労働は、絶対におかしい!

体調を崩す前に、御相談を!