ランキングの発表に注意!

 各クリーニング会社は、いろいろなキャンペーンを行い、加工の獲得数や売上、点数を競っています。店員ができるだ成績を上げるように、社内報に各店員の成績をグラフにして発表している会社も多いと思います。しかし、ここで注意してもらいたいことがあります。

 従業員の個別の成績などをランキングにし、大勢の前で発表することは、厚生労働省の新しい指針ではパワーハラスメントに該当することが指摘されています。

 厚労省は、職場のパワーハラスメントに当たる行為類型のひとつとして名誉毀損、侮辱などの精神的な攻撃をあげています。売上げランキングなどを全社員に公表したり、いろいろな成績を社内で発表することは、パワハラに当たる可能性が高いと言えるとのことです。

 会社が従業員の獲得本数を集計すること自体には別になんの問題もありませんが、上位だけでなく、最下位までも発表するとなると、発表が社内だけのものであっても、パワハラに該当し、職場環境を害する雇用契約上の安全配慮義務違反行為と取られる場合があり、従業員から訴えられると敗訴する可能性が高いとのことです。

 これは折り目加工の順位だけでなく、他の加工や売上、点数、点単価、または時間当たり売上や生産枚数なども同様です。

 しかしながら、当業界の各社では、いろいろな成績を一位から最下位まで発表しているような事例が目立ちます。売上、売上コンテスト、加工獲得数などは言うに及ばず、メール会員というものを募集し、その獲得数までグラフにしている会社もあるそうです。

 また、ひどいところでは各店員ごとに受付ミスを集計し、そんなことまで発表している会社まであります。こんなのは論外ですが、これがパワハラに当たらないわけがありません。こんなひどい会社はほとんどないと思いますが、ともかくも、ランキングの発表には注意した方がいいでしょう。上位入賞者だけにとどめるか、少なくとも成績のいい店舗とかにとどめましょう。