協同組合復興が困難な理由
福島県クリーニング協同組合は2015年に外部監査が行われ、きわめてずさんな会計処理や、内容が全くの大赤字であることが露呈された。赤字はどんどんふくらんでおり、一刻も早い清算が望まれるが、三役も中心に、なおも継続したい希望がある様だ。そこで、協同組合を継続することが難しい理由を列記してみたい。
○資材業者の発展
協同組合とは、もともとは資材を共同購入し、安く仕入れて組合員を助けようという考えの元に戦前に結成された組織だが、現在では資材業者が発達し、協同組合よりも資材を安く販売するので、この存続は難しいと思われる。
○外部監査の税理士が危機宣言している
2015年に外部監査を行ったとき、担当した税理士達から、協同組合の末期的な状況を聞かされ、破綻状態であり、どのように清算するかを考えるべきであるのに、「まだ大丈夫」などという人がいるのは考えられない。
○職員の努力が足りない
協同組合の取引先は、数十年前と同じところもあり、単なるトンネル会社もある。トンネル会社の存在は価格を高くするだけの存在である。こんなところと何十年も取引している様では、職員の怠慢を問われても仕方がないのではないか。
また、銀行までタクシーで行く、市内の巡回にも出張費を出すなど、大赤字なのに経費節減を全く怠っており、むしろ腹立たしい。
○組合員数の減少
組合員数は年々減少しており、それに伴って売上も下がり、ここから好転するとも思えない。
○時代遅れ
この様なクリーニングの協同組合は全国に3つしか残っておらず、他の協同組合は時代について行けず、既にあちこちで解散している。継続しているのは時代遅れである。
○義理で続いているだけ
高い資材をわざわざ買う業者はいると思えないが、組合が昔からあるので義理で買っているという業者が多い。こんなものが長く続くとは思えない。また、支払いの遅れるような経営の苦しい業者がアテにしている様で、そんな人に引っ張られていたのでは、将来があるとは思えない。
○資材業者が離れていく
クリーニング協同組合の運営がかなり苦しいということは既にあちこちの資材業者に伝わっており、そうなると回収できなくなることを恐れる業者達が資材を納入しなくなる可能性がある。資材が来なくなれば当然販売は不可能になるだろう。
○経理が破綻している
そもそも2015年の外部監査で、協同組合の経理そのものが全く機能せず、成り立っていないことが会計事務所によって暴かれている。77歳の高齢な事務長に現在でもパソコンを使用せず、手書きで会計処理をやらせており、それをいつまでも放置しているのはおかしいではないか。
○解決策が存在しない
三役のうち、協同組合の継続を強く主張しているのは専務理事だが、2015年12月10日に支部会で会った際、どのような解決策があるのか質問したが、具体的な解決策は何も示さなかった。これは識者から「専務理事が継続を希望しているのなら、具体策を示すべき」との意見を聞いてのことだったが、具体策が何もないのに、なぜ継続を希望するのか理解に苦しむ。
○情けない言い訳
同じ2015年12月10日、専務理事は、協同組合の立て直しに関し、「鈴木さんが邪魔するから、進行が遅れている」と述べた。「邪魔」というのは、外部監査を推進したことだと思うが(他に何もしていない)、団体にとって監査は当たり前で、それを「邪魔」などという様では、現実には何も対策がなく、それを人のせいにしているだけではないか。
この様に考えれば、時代に逆行する協同組合が、現在の大赤字を解消して運営が好転していくとは到底考えられない。現在取り組んでいる人たちは、なにか別の目的があるのではないだろうか?
推測だが、事務長から金を借りていた等ということを知っていながら報告しなかった三役は、法的には忠実義務を怠ったという責任がある。清算となると、三役の責任は避けられないので、責任回避のため先延ばしをしているのではないだろうか。
ここは、誠意ある対応を求めたい。