クリーニングで労働問題が話題にならない理由

 クリーニング業界では多くの人々が働いています。当然、いろいろな問題が発生するはずですが、あまり業界で話題になることがありません。それには、こんな複雑な理由があります。

 

 

業界団体の問題

 クリーニング業界は厚生労働省が管轄し、全国の都道府県にクリーニング生活衛生同業組合があり、それを全ク連(全国クリーニング生活衛生同業組合連合会)がまとめていますが、従業員をたくさん雇っている大手業者はほとんどがこの組織に入っていません。組合業者の大半は従業員を雇わず、家庭だけで作業をこなす業者であり、半分以上が年商1000万円以下といわれています。また、こういう人たちが役員を務めていたりします。そのような所では従業員の雇用問題が起こらないので、労働に関する問題が協議されない状況にあるのです。

 

職人気質

 昭和30年代まで、大手クリーニング業者はほとんどなく、クリーニングを志す人々はどこかのクリーニング店へ丁稚奉公し、技術を覚える変わりに無償で労働力を提供するというのが当たり前でした。そういう因習がまだ残っているとも思えます。現在大きなクリーニング会社を経営している人たちにも、このような経験をした方が多くいます。

 

価格競争

 クリーニング業者は長らく価格競争の中にあり、低価格で品をたくさん集めようという発想から抜け出せません。低い価格では、従業員の待遇を向上するのは難しいことになります。

 

モラルのなさ

 2009年に起こったクリーニング業界の建築基準法問題では、業界の半数以上が違反をしていました。平気で法律違反をするような人が多い環境では、従業員の福祉厚生などをきちんと考えていない会社があってもおかしくはありません。

 

 しかし、クリーニングも一つの職業であり、当たり前ですが労働基準法が適用されます。労働法違反は大きな問題です。当NPO法人ではクリーニング業界の労働問題を大きなテーマとして考え、この問題に真剣に取り組み、この業界で働く人たちが困らないよう、応援していくつもりです。

 クリーニング会社で働く皆さんは、困ったことがあれば遠慮なくご相談下さい。

 

ご了承事項

※できるだけ努力しますが、これを持ってすべての労働問題を解決するほどの力は当NPOにはありませんので、その点はご了承下さい。また、匿名の方からの御相談には応じられない場合があります(秘密は厳守致します)。

工場で働く人々

クリーニング業界でも、大勢の人々が働いている。その待遇を考えるのは当然である。