クリーニングのSDGs

クリーニングとSDGs

環境にやさしいクリーニングとは?

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 最近、SDGsという言葉をよく見かけます。SDGs(Sustainable Development Goals)は、国連が2015年に採択した17の持続可能な開発目標のことです。この目標は、2030年までに貧困や飢餓、気候変動などの世界的な課題を解決し、持続可能な社会の実現を目指します。これらの目標は、国際的な協力と政策の実施、そして地球全体の課題に対する個人や企業、社会の取り組みを促すことで達成されることが期待されています。SDGsは、世界中の人々の生活の質の向上、平等な社会の実現、そして地球環境の保全に向けた世界共通の目標です。

 さて、クリーニングで取り組めるSDGsとは何でしょうか?クリーニング業者も社会人の一因であり、この地球の住民ですから、当然取り組むべきでしょう。

 クリーニングではこんなことがSDGsにつながると思われます。

 

洗剤は天然洗剤

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 クリーニング業ではお客様から預かった品はドライ・クリーニングか水洗いかに分けられますが、水洗いで使用する洗剤は、石油から精製したものと天然物に分かれます。天然物の洗剤とは、植物や生物の脂から作る洗剤をいいます。石油で作られた洗剤は、河川や海を汚染してしまいます。天然洗剤はいずれ分解するので環境負荷には石油と天然で雲泥の差があります。きれいな海を守るためには、天然の洗剤を使用することが必要です。ここは、できるだけ天然洗剤を使用することが望まれます。また、コインランドリーを利用するときには、天然洗剤を使用している店を選びましょう。

 

糊は天然糊

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 ワイシャツやシーツに使用する洗濯糊も、天然物と石油精製品があります。天然糊はコーンスターチや米、サトウキビなどで作られ、最近はタピオカ製というのもあります。使い勝手は石油系の方が断然いいですが、やはり洗ったときに河川に流れ、最終的に海を汚すほか、体にもいいものではありません。やはり天然糊を使うべきでしょう。クリーニングに出すときは、そのお店が天然糊か石油製か確認した方がいいでしょう。

 

石油系溶剤の回収

 ドライ・クリーニングとは水の代わりに別の溶剤で洗うことをいいますが、ほとんど石油系溶剤が使用されています。この溶剤は乾燥機で気化しますが、溶剤をほとんど回収できる乾燥機が開発されています。溶剤は回収するべきです。溶剤が気化して大気中に放出されると地球温暖化の一因になります。

 以外と回収乾燥機を使用していない業者が多いのは嘆かわしい限りです。

 

ハンガーの回収

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 クリーニングで使用されるハンガーは、クリーニング店で回収して再利用することが行われています。これはクリーニング店も経費節減になりますので、すでにほとんどの業者が取り組んでいます。

 

包装剤を薄いものに

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 2022年に施行されたプラスチック資源循環促進法では、クリーニングのハンガーと包装ビニールが対象商品になっています。そこで各クリーニング業者は包装剤をこれまでより薄いものにする工夫をしています。

 ハイデンという半透明の包装剤は、透明の包装剤と比べて半分以下の薄さになりよりエコです。しかし各業者は透明にこだわり、まだハイデンを使用する業者は少数派です。

 

マイクロプラスチックカプセルの無使用

自然糊

 クリーニングにミントやヒノキの香りを付けることが流行った時代がありました。差別化になっていいのですが、あの香りは香り物質をマイクロプラスチックカプセルに包んで衣料品に付けられ、摩擦でこすれて香りが出てくる仕掛けです。しかし現在マイクロプラスチックは海を汚す元凶といわれるようになりました。地球環境への負荷を考えれば、マイクロプラスチックカプセルは使用すべきではないでしょう。

 

 こういったことが、クリーニングのSDGsにつながっています。

 

SDGsを阻むクリーニングの価格競争

CIMGクリーニング店のチラシ

 クリーニング業界では半世紀にわたって各業者の価格競争が続いています。価格が安いと資材にお金をかけられないので、各業者は安い資材を選ぶようになります。クリーニングの場合、見た目で違いがわからないのでなおさらそうなります。そうなると、クリーニングのSDGsを阻んでいるのは価格競争ということになります。

 

お客様がSDGsを推進して欲しい

 SDGsを推進しているクリーニング店は、たいていそれを店頭に掲げています。SDGsを推進するためにも、お客様がSDGsの店を選んで下さい。そうすることが、地球環境を守ります。

 

クリーニングのSDGsのポイント(あなたが利用している店で聞いてみましょう)

1,水洗いは天然洗剤を使用しているか?(コインランドリーも同様)

2,ワイシャツの糊は天然糊か?

3,工場では石油系溶剤を回収しているか?

4,包装剤は薄いものを使用しているか?

5,マイクロプラスチックカプセルは使用していないか?

 

あなたの通うお店ではどこまでSDGsが進んでいるでしょうか?