秘密保持の誓約書などに関して

 どこの会社でも、従業員を雇う場合には「誠実に勤務すること」などを約束させる誓約書を書かせることが多いです。クリーニング会社にもそのようなものはあります。これは普通は一般的なことばかりが書かれており、真面目に仕事をすること等の倫理上のことや、会社のデータなどを持ち出さないことなど犯罪行為はしてはいけない様なことが書かれています。

 しかし、一部の会社ではこれに関し、「秘密保持の誓約書」などと称し、会社一般の問題点などを一切漏らしてはいけないようにも解釈できるような誓約書にサインさせるところもあります。特に、クリーニングでは、建築基準法に違反して発展したような不正な会社に見られます。

 この様な会社では、社内で行われていることに問題点が多く、それが外にに漏れないよう、従業員に「誓約」させる場合が多いように思われます。この様な会社で働く人々はこれを拡大解釈し、「会社で行っている不正な行為も、外に漏らしたら罰せられる」などと思ってしまうことがあります。サービス残業についても、漏らせばまずいなどと心配している人もいます。特に、この様な誓約書には、「会社に損害を与えた場合は罰則に従い責任を負います」などと書かれているので、心配する人もいます。

 この様な誓約書には、人道上おかしな行動をしない限り、ほとんど問題はありません。会社ができる「罰則」というのも、せいぜい解雇くらいのものです。顧客データを持ち出したり、犯罪行為をしない限り、罪に問われることはありません。

 また、会社の不正行為などに関しては、公益通報者保護法という法律もあり、不利益処分には課せられません。(クリーニング業界では、過去に、「普通品とデラックスでは包装を替えているだけ」と通報した人がいます)

 そもそも「企業秘密」などに関しては、特許を持つような企業がその企業情報を他に漏れないように対策を講じているものです。クリーニング会社にその様なすごい「秘密」があるはずもなく、あるとすれば顧客にばれると困る「ゴマカシ、手抜き」とか、かつて業界を騒がせた建築基準法違反のような「違法行為」くらいしかありません。この様なことを公表するのはむしろ社会正義であり、何も問題はありません。

 会社から「秘密保持の誓約書」などを書かされても、それによって残業代がもらえないなどということはあり得ません。そのようなことで心配する必要はありません。

秘密保持に関する誓約書

 誓約書にサインすると、いろいろいえなくなることを心配する人は少なくない(写真はイメージです)