最近、クリーニング店の中に、持ち込んだ洗濯物にシミを見つけると、「あ、ここにシミがありますね」と言って最初からしみ抜き料金を取るところが多くなってきました。シミによって価格が違い、大きいシミだと2000円以上の追加料金を取ります。そして、落ちなくてもお金は返しません。
これは大変矛盾した行為です。大手クリーニング店の店員は店員としての教育しか受けて折らず、シミが落ちるか落ちないか、ほとんどわかりません。そういう人が、しみ抜き料金を徴収するのはおかしなことです。
シミには、洗っただけで落ちるものもあり、難しいものもあります。それなのに、何の知識もない人が一律でしみ抜き料金を取るのは変です。それに、いちいちシミが付いていたら追加料金になるのでは、なんのためにクリーニング料金があるのかわかりません。
詳しい人に聞いたら、これは消費者契約法に抵触する恐れのある行為とのことでした。店員が最初からしみ抜き料金を取る店はあきらかに困ります。
※ただし、店員と作業員が同じだったりする小さな店は別です。自分で作業する人はある程度の目安を付けられるでしょう。最もそういう人は、あまりこんなことはしませんが……)
シミ抜きはもともと料金範囲内の仕事
クリーニング店は昔から営業していましたが、大変特殊なものとか、難易度が高いシミ以外、最初からシミ抜き料金を取ることはありませんでした。シミ抜きはもともと料金範囲内の仕事だったのです。最初からいきなりシミ抜き料金を取る業者が登場したのは最近のことで、「安直に儲かる方法」としてあっという間に安売り業者の間に広まっていったようです。これも、「安く見せていろいろ追加料金を取る」といった方法の一つです。しかし、これは明らかにおかしな行為です。成績にも影響があるので、目の色を変えてシミ探しをする店員もいるようです。しかし、それで落ちないなら話になりません。
絶対おかしい、しみ抜き追加料金
しみ抜き追加料金の矛盾を追及するため、ある実験を行いました。着終わったワイシャツにしょうゆを付け、乾かした後にしみ抜きで追加料金を取るクリーニング店に持ち込んでみました。
店員は「大きなシミですね」といって、2000円のしみ抜き料金だと言いましたので、頼まずに持ち帰りました。
家庭用の洗濯機に水を入れ、中性洗剤を入れて洗濯したところ、わずか3分程度でこのシミはキレイになくなりました。しょうゆは水で簡単におちてしまいます。
この様に、洗うだけで簡単に落ちるものでも、店員は追加料金を取ってしまいます。最初から追加料金を取るのは、このように矛盾した行為なのです。
しょうゆは、こんな大きなシミでも、ちょっと洗えばすっかりキレイに・・・。うっかり2000円も損するところでした。
「いきなりシミ抜き」にご注意を
もし、いきなりシミ抜き料金を請求されたら、「あなたの店は料金にシミ抜きは入っていないのか」と質問してみて下さい。消費者契約法に触れる可能性もあるので、近くの行政機関などに連絡してみるのもいいと思います。
そうでなければ、「当店は洗うだけでシミ抜きは行いません」、「当店はクリーニング料金の他にシミ抜き料金をもらいます」と看板に書いておくべきでしょう。(そうなると、クリーニングっていったいなんなの?ということにもなりますが……)
最近、この様なクリーニング店が増えています。安直に単価を上げる方法として、特に安売り業者に伝わったのでしょう。NPO法人クリーニング・カスタマーズサポートとしては、消費者への注意を促し、このようなことは業界からなくしていきたいです。
※「いきなりシミ抜き」とは逆に、仕上がってきた後で、「この品は通常シミ抜きをしましたが、これ以上落ちないので、特別シミ抜きになります」として、その時点で追加料金を徴収する業者もいます。シミには難易度の高いものもありますので、これは誠意のあるやり方だと思います。逆に最初から「特別シミ抜き」とするのは悪質です。